会社解散

2005年の会社法改正で有限会社の制度は廃止されました。
改正後、有限会社を設立することはできなくなりましたが、廃止時点で存在していた有限会社は「特例有限会社」として存続することが認められています。
有限会社という制度がなくなってかなりの時間が経過しており、有限会社の数も少なくなっています。
特例有限会社として今後も存続し続けることは可能ですが、会社を解散したり株式会社や新たに新設された合同会社に組織変更するケースもあります。

現制度にはない有限会社を解散する場合、何か特別な手続きが必要なのかと疑問に思われる方もおられます。
今回は、有限会社の解散・清算手続きについて解説します。

有限会社の解散

有限会社の解散には、いろいろな手続きが必要です。
単に「やめた」では済まず、会社法で規定されている手続きを経て、法務局に解散登記、清算結了の登記をすることで法的に解散したことになります。

解散するには法定された原因が必要

解散するには解散原因が必要で、会社法で有限会社が解散できる原因が規定されています。

  1. 定款で定めた存続期間の満了
  2. 定款で定めた解散事由の発生
  3. 株主総会での解散決議
  4. 合併
  5. 破産手続開始の決定
  6. 解散命令・解散判決

上記に該当する場合に解散手続きを行うことができます。
各種原因をご覧いただければ分かるように、定款や合併等の原因がなくても、株主総会で解散決議をすれば解散することができます。

解散のための各種手続き

前述の解散原因で、1~3を原因とする解散と4以降を原因とする解散は手続きが異なります。
今回は原因として最も多い1~3の原因での解散についての手続を説明します。

Step1.解散原因の発生

定款で会社としての存続期間や解散事由を規定してる場合、存続期間が満了していること、又は解散事由が発生していることを確認します。
「当会社は、会社成立の日から満50年をもって解散する。」等と定款に記載されている場合は、満了日の翌日をもって解散することになります。
また、例えば、定款に「〇〇が死亡したときは、当会社は解散する。」というような解散事由が定められていて、〇〇が死亡したときに解散することになります。

上記のような定款規定がなくても、株主総会を開いて決議することで解散することができます。
ただし、当該総会の決議要件は厳しく、総株主の半数以上が出席し、総株主の議決権の4分の3以上の賛成が必要です(定款で上回る割合を規定すること可)。
※株主総会を開催する場合、招集手続きも会社法で規定されています。規定を無視した形で開催した株主総会決議は無効になるおそれがあるので注意が必要です。

Step2.清算人の選任

有限会社が解散すると代表取締役、取締役は自動的に退任することになります。
※監査役は退任しません。

解散手続きは「清算人」が行わことになるので、清算人を選任します。
清算人の選任方法は会社法で規定されているので、それに従って選任・就任することになります。

  1. 定款で清算人を誰にするか定めていたら、その者が清算人となります。
    例えば、「清算人は代表取締役とする」というような定款規定があれば、解散時の代表取締役が就任します。
  2. 株主総会決議して選任する。
    解散を決議する総会で、同時に清算人の選任決議をすることができます。
    ※多くのケースはこの方法で選任されます。
  3. 上記による清算人がいない場合、解散時の全取締役が自動的に清算人(法定清算人)になります。
  4. 上記3方法で清算人がいない場合は、裁判所に清算人を選任してもらうことになります。

清算人が行う清算手続きとは、現務の結了、会社に残存する債権の取立・債務の弁済、残余財産の分配です。
現務の結了が分かりにくいと思いますが、解散時にまだ終わっていない業務を終了させることを意味します。
途中になっている仕事を終わらせたり解約したり、従業員との雇用契約を終了させたり等々の事業終了に向けての手続なので、新たな取引をするようなことはできません。

Step3.法務局へ解散・清算人の登記申請

解散及び清算人が決まると、その旨を会社登記に記載するために法務局に登記申請します。
この登記により、会社が解散することを公示することになります。
登記は、解散日から2週間以内にしなければいけません

Step4.株主総会の承認

就任した清算人は、解散時の会社の状況を調査しなければいけません。
会社が保有している財産の目録表、貸借対照表を作成し、株主総会で承認してもらう必要があります。

Step5.債権者への通知

解散にあたって大きく影響を受けるのが債権者です。
支払いが残存しているのに勝手に会社を解散されては、債権者は困ってしまいます。
そこで、解散にあたって清算人は解散することを債権者へ通知するよう会社法は規定しています。

通知に関しては、2っの方法によって行うように規定されています。
一っは、官報公告です。
官報とは政府が発行する新聞のようなもので、解散すること及び債権を持っている方は2ヶ月以内に会社に申し出るようにとする内容を載せます。

もう一っは、知れている債権者個別に通知します。
清算人はこの通知を通して、会社の債務の清算手続きを行います。

Step6.残余財産の分配

清算人は、現務の結了、債権・債務の清算をした後、残った財産を分配します。
会社は株主のものと言えるので、基本的に残余財産は全株主に均等に分配されることになります。
※残余財産を優先的に分配される種類の株式や分配されないとする種類の株式を保有している株主が存在している場合もあります。

分配は換価されて金銭で行われたり、現物で行われたりします。

Step7.決算報告書の株主総会承認

残余財産の分配等の手続の終了後、清算人は清算事務決算報告書を作成し、株主総会で承認してもらいます。
承認をもらうことで会社の清算は結了したことになり、法人格は消滅することになります。

Step8.清算結了の登記申請

清算手続きが全て完了したら、必要書類を添付して結了した旨の登記(清算結了登記)を申請します。
これにより、当該会社の商業登記簿は閉鎖され法的に解散されたことになります。
清算結了の登記は、株主総会で清算事務決算報告書が承認されてから2週間以内にしなければいけません。

税金関連

解散に伴って、税務署等に異動届、申告が必要になります。
解散決定後、2ヶ月以内に税務署へ解散による異動の届出後、税務署と都・県税事務所に解散確定申告(事業年度開始日から解散日までのもの)をしなければいけません。

また、解散日から残余財産が確定した日までの申告も必要です。
これを清算確定申告と言います。
解散確定申告後、清算人が登記され清算手続きが行われ残余財産が分配等がされ清算が確定したことを申告します。
その他、社会保険事務所にも届け出が必要です。

まとめ

解散手続きには上記のように会社法でその手続きが規定されており、いずれかを欠いた解散は無効になるおそれがあります。
また、登記申請には申請書だけでなく、各手続きを行ったことを証する書面の提出も必要になります。

難しい点もございますので、登記の専門家である司法書士にご相談下さい。
当事務所も解散手続き・登記業務を行っております。
登記申請を含めて必要な各種手続きについてしっかりサポートさせていただきますので、お気軽にお問合せ下さい。


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