アパート、マンションで賃貸借契約をするとき、身元保証人、連帯保証人をつけるよう求められることがあります。
家賃保証会社との契約を要件とする場合も多く、その場合は連帯保証人は必要なくなります。
身元保証人については、賃貸契約においては連帯保証人とほぼ同様で、現在は求められることも少なくなっています。
身元保証人
言葉のとおり、身元を保証する人を「身元保証人」と言います。
賃貸契約した賃借人は、契約上の本人に間違いありません、身元を保証します、とする保証人です。
ただし、身元を保証するだけでなく、契約者(賃借人)が契約内容を履行できないときに、本人に代わって責任を負う立場になります。
負う責任としては、賃借人は借りている部屋をきちんと管理する義務を負っていますが、それに違反して何らかの損傷・損害が生じた場合、賃貸人と共にその責任を負うことになります。
身元保証に関しては、「身元保証に関する法律」というものがあり、例えば、身元保証人の保証期間は原則として3年、合意によって5年を上限とすることができる等の規定があります。
しかし、上記の身元保証人は就職にあたっての身元保証のようなケースで、賃貸借契約での身元保証人は連帯保証人にような意味で使われていますので、契約時に「身元保証人」欄があれば、保証内容が契約書に記載されていること、その内容を確認しましょう。
※身元保証人ではなく身元引受人を求められることがあります。とくに単身の高齢者に賃貸する場合、何かあった場合(病気等)のための連絡先として求められることがあります。
連帯保証人
お金を借りる際の連帯保証人はよく知られていますが、お金ではなく部屋を借りる際の連帯保証人とは、何を保証するのか?
滞納した場合の賃料、部屋や建物に損傷を与えた場合の修繕費、退去の際の正当な現状回復費用等々の賃貸借に関連して発生する賃借人が負担すべきさまざまな費用を連帯して保証することになります。
「保証」という文字がついていますが、費用負担は賃借人と同等、つまり、請求する側は賃借人に請求せずに連帯保証人に請求することもできます。
借金の連帯保証人と同様、一旦連帯保証人になると、当該賃貸借契約が継続中は賃貸人の同意なく連帯保証人をおりることは難しいです。
※民法が改正され、賃貸借契約における連帯保証人の保証額の限度額(極度額)を定めることが規定されました。長年の賃貸借契約で保証の内容や額が不透明になりがちなので、保証人の負担が大きくなり過ぎないように契約書に極度額を明記すること義務付けられ、明記されていない保証契約は無効とされます。