法定相続人以外の者に遺産を贈ることを「遺贈」と言います。

遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類がありますが、ここでは「包括遺贈」についてのリスクについて説明します。

包括遺贈とは

遺産を包括的に法定相続人以外の者に遺贈することを「包括遺贈」と言います。

書式に基づいて遺産を特定せずに「遺産の全部を遺贈する」「遺産の2分の1を遺贈する」等のように遺言書に記載しておくことで、包括遺贈が有効になります。

生前お世話になったあの人に、お詫びの気持ちを込めてあの人に、等々の気持ちで遺贈をすることもあるでしょう。

遺贈される側(受贈者)は、本来、相続人ではないので遺産をもらう権利はないが、遺言者の気持ちに感謝してありがたくお受けする、ということになりそうですが、1回立ち止まって受けるか受けざるべきかの検討をしましょう。

包括遺贈のリスク

包括遺贈にはリスクがあります。

それは、遺贈の対象が特定されてなく、単に「遺産」になっているからです。

「遺産」は、現金、預貯金、株式、不動産等の通常プラスと考えられる遺産だけでなく、借金等のマイナスの遺産も含まれます。

つまり、「遺産の2分の1を遺贈する」という内容は、借金も2分の1遺贈する、という事を意味します。

更に言えば、「全部の遺産を遺贈する」とした遺贈を受けた場合、プラスの財産を上回る借金を引き受けることにもなりかねません。

家族ではないので、故人の生前の財産状況がどのような状態にあったか分からないでしょうし、調査するにも限界があります。

遺産の中に不動産が含まれていれば、それをどのように処置するかの問題も生じます。

遺贈された額が法定相続人の遺留分を侵害していれば、侵害額を請求されるかもしれませんし、請求されたら侵害額は基本的に「金銭」で支払わなければいけません。

このように、一見、もらうだけ、と思われる遺贈も「包括遺贈」になれば負の遺産ももらうことになるので注意が必要です。

包括遺贈を回避するには相続放棄と同様に、家庭裁判所で「包括遺贈の放棄」の手続きをしなければいけません。

手続も包括遺贈があったことを知ってから3ヶ月以内にしなくてはいけないので、早急に専門家に相談することをおススメします。