連れ子婚の相続問題

どちらかに、又は双方に既に子供がいるケースでの結婚も多くあります。

いわゆる、連れ子での結婚となります。
連れ子で結婚して一つの家族になった後、いずれ父母が亡くなれば相続が発生します。

連れ子の法的立場(身分)

子供のいる男性(又は女性)との婚姻で、結婚(婚姻届の提出)だけでは連れ子と結婚相手に法的親子関係は生じません。
連れ子から見ると、結婚相手は父(母)の妻(夫)ではあるが、法律上は母(父)ではないということになります。

この状況で結婚相手が亡くなると、連れ子に相続権はありません。
母(父)が配偶者としての相続権を取得するのみです。

連れ子が結婚相手の相続人になるには、養子縁組が必要です。
養子縁組をすれば、結婚相手と直接的に親子関係になり実子と同様の身分となるので、将来、結婚相手が亡くなったら当然に連れ子も相続人になります。

通常、未成年者(18歳未満)との養子縁組は家庭裁判所の許可が必要になるのですが、結婚相手の子供との養子縁組には許可は必要ありません。
連れ子が18歳以上であれば、本人の同意が必要になります。

連れ子との養子縁組での注意点

互いに子供がいる者同士が結婚する場合、一つの家族となるべく互いに相手の子供と養子縁組するご夫婦が多いと思います。
養子縁組により、法的にも血縁家族と何ら変わりない家族となることができます。

ただし、以下のような面もあります。

  1. 養子縁組により連れ子は結婚相手の相続人になれますが、同時に親子として養育・扶養義務等の責任を負うことになります。
  2. 離婚することになった時、養子縁組解消問題が生じる。
  3. 実子と連れ子が同等の相続権と取得する。

1と3は、実子と同様の親子関係になることを決めて養子縁組するでしょうから、さほど問題にならないでしょう。
しかし、以下のようなケースもあり得ることも念頭に置いて下さい。

男性Aさん(子供1人)、女性Bさん(子供2人)が結婚し、同時に互いに相手の子供と養子縁組した。
翌年、Aさんが亡くなった。
遺言書はなく、Aさんの遺産は法定相続割合に従って分割した。

このとき、それぞれの取得割合は、Bさん2分の1、子供3人は各6分の1になります。
つまり、血縁の観点で見ると、Aさんの実子はAさんの遺産を6分の1しか相続できないことになります(この点を懸念される方は、自身の財産の分割方法を記した遺言書を残しておくことをお勧めします。)。

離婚する場合、当事者間は離婚届出で婚姻関係を解消できますが、離婚だけでは連れ子との養子縁組は解消されません。
妻とは離婚しても、連れ子とは仲が良く養親子関係を継続する場合もあるでしょう。

しかし、離婚と同時に連れ子とも養子縁組を解消するケースも多くあります。
養子縁組を解消していないと、離婚後、元妻、連れ子との関係が完全にとぎれているにも関わらず法律的には元連れ子と親子関係が継続し、扶養義務や相続問題が絡むことになります。

そうならにようにするには、離婚と同時に養子縁組も解消することが必要です。
養子縁組解消するには、まず、相手と協議をして決めます(協議離縁)。
協議の相手は養子になりますが、養子が15才未満であれば法定代理人である元妻と協議することになります。

協議で解消できなければ、裁判所にお願いすることになります(調停、審判、裁判)。

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