2025年に改正されたマンション等の集合住宅(区分建物と言います)について法律について、前回のマンション管理の円滑化に続き、今回はマンション再生の円滑化について説明します。
マンション再生化の円滑化
マンション再生に関しては、建替えと大規模リノベーションの2つになります。
建替えによる再生
従来は建替え決議の多数決要件が5分の4の賛成が必要であったため、賛成を得るのに多大な時間やり労力を要し、最終的には賛成を得られずに頓挫するケースも少なくありませんでした。
そこで、改正のより所在等不明者を決議の母数から除外することに加え、原則的な多数決割合は現行の5分の4を維持しつつも、一定の客観的事由がある場合は多数決割合を4分の3に引き下げられるようになりました。
一定の客観的事由としては、以下の5項目になります。
- 耐震性の不足
- 火災に対する安全性の不足
- 外壁等の剥落により周辺の危害を生ずるおそれ
- 給排水管等の腐食等により著しく衛生上有害となるおそれ
- バリアフリー基準への不適合
賃借人の扱い
従前では、建替え決議がされても賃借人の同意しなければ専有部分の賃貸借等は終了しないため、建替え工事の円滑な実施が阻害されていました。
そこで、改正により建替え決議がされた場合は金銭補償(賃貸借の終了により通常生ずる損失の補償金)を前提として賃貸借等を終了させることができる制度は創設されました。
多数決による建物・敷地一括売却や建物の取壊し等
従前は、建物とその敷地の一括売却や建物の取壊し等を行うには区分所有者全員の同意が必要であり、現実的に全員の同意を得ることは困難といえます。
そこで、改正により①建物・敷地の一括売却 ②建物を取り壊した上での敷地売却 ③建物の取壊しに関して、建替えと同様一定の客観的事由があれば4分の3で可決できるようになりました。
※区分所有建物が全部滅失した場合の敷地共有者等集会においても、5分の4以上の多数決で建物の再建・敷地売却を可能とする制度が創設されました。
リノベーション
既存建物を維持しながら建物全体をリノベーションする場合、従来は区分所有者全員の同意が必要だったので、事実上困難な状態にありました。
しかし、改正により建替えと同等に一定の要件(客観的事由)を満たせば4分の3で一棟リノベーション工事を可決できるようになりました。



