相続が生じた場合、「相続登記」「預貯金口座の解約」「生命保険金請求」「有価証券(株券等)の名義変更」等々の手続きをすることになりますが、これらの手続きには故人や相続人の戸籍・除籍謄本等が必要になります。
手続きには「原本」を提出しなくてはいけませんので、例えば、複数の銀行口座を同時に解約きするには、銀行の数分の原本が必要になります。
戸籍謄本は450円/通、除籍謄本や改製原戸籍謄本は750円/通です。
改製原戸籍謄本は人によって通数も異なり4通、5通となることも珍しくありません。
故人の除籍謄本、改製原戸籍謄本、相続人の戸籍謄本一式を取得するのに5000円前後かかり、それを1回しか使わない口座解約のために銀行の数だけ取得するのはムダでしょう。
かといって、一つ一つの手続きを順々にやれ時間もかかってしまいます。
そこで、新設された法定相続情報証明制度を利用して費用を抑えることができます。
法定相続情報証明制度
法務局に戸籍謄本等の必要な書類を提出し、「被相続人○○法定相続情報」という書類を交付してもらいます。
「被相続人○○法定相続情報」は、相続関係者の戸籍謄本、除斥謄本等を法務局により確認された上で作成されるので、この書類が戸籍謄本等の替わりになります。
交付される法定相続情報(法務局HPより)
各種解約手続き等で戸籍謄本や除籍謄本等が必要な場合、戸籍謄本等の原本の替わりにこの法務局発行の相続情報を提出することできます。
この書類は法務局で無料で交付されるので、例えば、5っの相続手続き(相続登記、A・B・C銀行、ゆうちょ銀行の口座解約)が必要な場合、5枚を無料で交付してもらえば、全ての手続きを同時に進めることができます。
申請手続き
申請先の法務局は以下の通りです。
- 被相続人の本籍地
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
提出書類
法務局所定の申請書に以下の書類を添付して申請します。
必要な書類
- 故人(被相続人)の戸除籍謄本
- 故人の住民票の除票
取得できない場合は戸籍の附票 - 全相続人の戸籍謄抄本
- 申出人の身分証明証(免許証等)
- 相続人の住民票の写し
※相続手続で住民票の提出を省略したい場合
法定相続情報一覧図
故人と相続人を一覧図にした書面を作成して提出します。これは、故人と相続人との関係(続柄)や生年月日等を表示した関係図になります。
以下のような一覧図です(法務局HPより)。
法務局HPよりエクセルで作成できるフォーマットが提供されていますので、これを利用すると便利です。
故人が本籍を変えていたり、相続人が多かったりとご自身で戸籍謄本等を取得することが難しい場合は、当事務所にご相談下さい。
必要書類の取得から申請、交付まで司法書士が全て行います。